
新型コロナウイルス感染症の流行から1年半以上が経過しましたが、いまだ終息の気配が見えません。
とはいえ、まったく外に出ず、人とも関わらず生活することもできないので、マスクや手指の消毒など、できることをしながら仕事をしている方がほとんどだと思います。
これだけ感染者が増えると、「自分も感染するかもしれない……」「この症状は大丈夫かな……」と、不安に感じることがあるかもしれません。
そこで今回は、新型コロナウイルス感染症の初期症状のおさらいから感染後の対処方法、まん延させないためのポイントをご紹介します。
どんなに感染予防をしても「100%感染しない」とは誰にも言い切れません。
だからこそ、もしものときには何をすべきなのか、しっかり頭に入れておきましょうね!
新型コロナウイルスに感染すると、どんな初期症状が出る?

WHO(世界保健機関)では、新型コロナウイルス感染症のおもな症状を以下のように公開しています。
特徴的な症状として、発熱や嗅覚・味覚に異変が起きることはよく知られていますが、他にもさまざまな症状があるので、下記の内容を覚えておくと役立ちます。
新型コロナウィルス感染症の主な症状例 |
一般的にある症状 |
他の病気と似た症状 |
重度の症状 |
発熱 |
味覚・嗅覚障害 |
呼吸が困難 |
咳 |
のどの痛み |
38度以上の高熱が続く |
倦怠感 |
下痢 |
胸の圧迫感 |
|
悪寒 |
持続的な痛み |
|
吐き気、嘔吐 |
食欲の減退 |
|
頭痛 |
|
(参考:WHO/世界保健機関)
上記の症状以外にも、たまに結膜炎や筋肉・関節の痛み、皮膚の発疹、めまいなどが出ることもあります。
また、ごくまれに感覚が過敏になったり、錯乱、意識の低下、不安感、うつなどの精神的な症状が出たり、睡眠障害が起きる場合もあると報告されています。
デルタ株の症状の特徴は?
今年4月頃から始まった第4波はイギリス由来のアルファ株が中心でしたが、第5波が到来している現在は、非常に感染力の強いインド由来のデルタ株に置き換わっています。
おもな症状はどちらの株も変わりませんが、デルタ株はアルファ株にくらべて発熱、咳、頭痛、嗅覚・味覚障害を訴える人の割合が多いことが報告されています。
有症状者 変異株(デルタ株・アルファ株)による症状の比較 |
コロナ感染陽性で有症状者 |
デルタ株 |
アルファ株 |
人数 |
5,211人 |
52,811人 |
発熱 |
84.9% |
73.0% |
咳 |
46.4% |
43.2% |
咳以外の急性呼吸器症状 |
9.5% |
9.9% |
肺炎像 |
2.6% |
3.4% |
危篤な肺炎 |
0.29% |
0.4% |
全身倦怠感 |
31.8% |
30.5% |
頭痛 |
26.8% |
22.0% |
嘔気/嘔吐 |
2.8% |
2.3% |
下痢 |
5.7% |
6.1% |
結膜炎 |
0.23% |
0.2% |
嗅覚・味覚障害 |
9.8% |
8.0% |
(厚生労働省/第47回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年8月11日)資料2-5より)
また、男女別の比較では、男性は発熱や肺炎、全身の倦怠感、下痢の症状が多く、女性は咳、頭痛、嘔気・嘔吐、味覚・障害が多くなっています。
年齢別で見ると、高齢者は肺炎が中心なのに対して、65歳未満は発熱、咳、全身の倦怠感、頭痛、下痢、嗅覚・味覚障害など、さまざまな症状が出ていることが分かっています。
有症状者男女別・年齢別による症状の比較 |
コロナ感染陽性で有症状者 |
男性 |
女性 |
65歳以上 |
65歳未満 |
人数 |
282,173人※ |
232,173人※ |
84,532人 |
347,115人 |
発熱 |
76.2% |
68.5% |
69.9% |
73.2% |
咳 |
41.5% |
42.3% |
38..5% |
42.5% |
咳以外の急性呼吸器症状 |
9.9% |
10.2% |
8.9% |
10.3% |
肺炎像 |
4.5% |
3.5% |
11.8% |
2.5% |
危篤な肺炎 |
0.67% |
0.44% |
2.3% |
0.21% |
全身倦怠感 |
30.5% |
25.7% |
22.4% |
29.5% |
頭痛 |
19.4% |
21.4% |
6.6% |
23.1% |
嘔気/嘔吐 |
1.8% |
2.8% |
2.3% |
2.2% |
下痢 |
5.9% |
4.7% |
3.9% |
5.6% |
結膜炎 |
0.19% |
0.16% |
0.072% |
0.2% |
嗅覚・味覚障害 |
11.0% |
12.7% |
3.8% |
13.4% |
※性別不明の880人を除く
(厚生労働省/第47回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年8月11日)資料2-5より)
もしも症状が現れたらどうする?

感染の心当たりに気づいたり、上記の症状が現れたりした場合は、すぐに3つの行動を起こしてください。
- 感染に気付いた時の3つの行動
-
- かかりつけ医または近くの医療機関に電話で相談する
- 各都道府県の発熱相談センターや受診相談センターに電話で相談する(身近にある医療機関を紹介してもらう)
- 各種検査キットでセルフチェックをする(PCR検査キット、抗原検査キットなど)
初期症状に早く気づき、行動を起こすことで、適切な診断・治療を早く受けられます。
それは、自分を守るだけでなく、周囲の大切な人に感染させないことにもつながります。
WHOは新型コロナの症状が現れた人の約80%は、無症状か軽症で済むと述べています。しかし、自分が無症状だったとしても、万が一、人に感染させてしまったら、その人が重症化する危険性があります。
「もしかしてコロナ!?」と不安に思ったら、まずは電話相談をして、新型コロナ外来などの診察を受けるようにしてくださいね。
いざというときのために検査キットを準備しているという方は、セルフチェックをして調べてみるのもおススメです。
特に抗原検査キットは
「低コストで簡単に検査ができて、その場で実施が可能。判定までの時間も10~15分と短時間」というメリットがあります。
「定期的に感染をチェックしたい」、「気になったときにすぐ調べたい」という方は、抗原検査キットを活用してみてはいかがでしょうか。
抗原検査キット 取扱い一覧 |
抗原検査キット |
商品 |
1個の価格(税込) |
備考 |
リンク先 |
スティック抗原検査キット |
 |
787.5円 |
国内生産 |
詳細ページへ>> |
NEW抗原検査キット |
 |
1,760円 |
中国製 |
詳細ページへ>> |
抗原検査キット |
 |
2,030.5円 |
中国製 |
詳細ページへ>> |
感染しない・広げないためにできることは?
感染を広げないためには、まず自分が感染しないことが大切です。
マスクの着用や手洗い、手指の消毒の徹底のほか、下記のような感染リスクが高まる場面をできるだけ避けるように心がけてくださいね。

もし、自分や同居する家族に新型コロナウイルスの感染が疑われる場合は、以下のことに注意するよう厚生労働省から情報が発信されています。

新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項
①部屋を分ける
部屋を分けられない場合には、少なくとも2mの距離を保つか、仕切りやカーテンなどの設置がおススメ。同じ部屋で寝るときは、頭の位置を互い違いになるようにしましょう。
②お世話はできるだけ限られた方で
心臓、肺、腎臓に持病のある方、糖尿病の方、免疫の低下した方、妊婦の方などが、感染が疑われる家族のお世話をするのはできるだけ避けてください。
③マスクをつける
使用したマスクは他の部屋に持ち出さないでください。マスクを外す際は表面に触れないように気をつけ、必ず手洗いか手指の消毒をしてください。
④こまめに手を洗う
洗っていない手で目や鼻、口などを触らないように気をつけてください。
⑤定期的に換気をする
1時間に2回以上、部屋の空気の入れ替えを行いましょう。換気は2方向の窓を開けて風の流れを作り、数分間ほど全開にするのがおすすめです。
⑥手で触れる共有部分を消毒する
ドアの取っ手やノブなど、家族が共有して触れる部分はこまめに消毒してください。トイレや洗面所、キッチンなどのタオルは共有しないように注意しましょう。
⑦汚れたリネン、衣服を洗濯する
体液で汚れた衣服、リネンを取り扱う際は、手袋とマスクをつて洗濯しましょう。洗剤は一般的な家庭用洗剤で大丈夫です。
⑧ゴミは密閉して捨てる
鼻をかんだティッシュはすぐにビニール袋に入れ、室外に出すときは密閉して捨ててください。ゴミに触った後はすぐに手を石鹸で洗いましょう。
(参考:厚生労働省/新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け))
まとめ
症状が軽いと「ただの風邪だろう」「ちょっと疲れがたまったかな?」と思いがちですが、そんなときこそ新型コロナを疑ってください。
もしかしてと思いつつ放置していると、急激に症状が重くなって治療に時間がかかったり、自分がクラスターの原因になったりして、後悔することになる可能性もあります。
感染症はしっかり予防&早期発見を徹底することで、自分を守り、周囲の人たちも守ることができます。
ぜひ初期症状と感染時の対処法を覚えて、もしものときにすぐ行動できるようにしてくださいね!