初心者用 完全データ作成ガイド
色数について
色数ってなんのこと?
印刷につかう色(インク)の数のことね。
でもね、印刷方式によってちょっとニュアンスが違うの。
そうなの?
色数が「色の数」だ、ってことは変わらないんだけど、
- ★単色専用の印刷方式(シルク印刷、パッド印刷など)なのか
- ★フルカラー専用の印刷方式(オフセット印刷、インクジェットなど)なのか
ふーん。
まずは単色専用の印刷方式の場合ね。
そらくん、どんな商品が単色専用の印刷方式で印刷されているか知ってる?
名入れのタオルとかボールペンだよね。
そう。
シルク印刷やパッド印刷、箔押しなど、一般に「名入れ」と呼ばれる印刷に対応している商品ね。
対象の商品にはそれぞれの商品ページの詳細情報に「名入れ1色」と書いてあるわ。
名入れ1色だと色数は1だよね。
名入れ2色だと、「色数2」でいいの?
そうよ。
名入れの場合、データを作るときにいくつか注意点があるの。
どんな注意点?
まず理解してほしいのは、名入れ印刷ははんこや版画のような形で印刷しているってこと。
だから、
- ★色の掛け合わせができない
- ★色の濃淡(グラデーション)が表現できない
- ★細かすぎると潰れたりかすれたりする
ふむふむ。
まずは「色の掛け合わせができない」ことから説明するわね。
お願いします。
さっきも言ったけど、名入れの場合ははんこや版画のような形で印刷しているの。
だから、色を掛け合わせて違う色を表現することはできないの。
色ごとにインクを用意しないといけないのよ。
名入れ4色だと、フルカラーは表現できないってことだね。
その通り。
名入れ4色の場合、本当に4色の違うインクを使うってだけで、
フルカラーで印刷するという意味ではないの。
注意してね。
濃淡が表現できないっていうのは?
同じ色でも濃度を100%にしたり50%にしたりして強弱はつけられないの?
名入れ印刷の場合、それも不可能なの。
はんこを押すとき、同じ朱肉を使って濃度を100%にしたり50%にしたりはできないでしょう?
うーん、ちょっと無理かも。
濃度100%のときにAインクを使うとしたら、濃度50%のときには違うBインクを使わないといけないの。
結局は別々のインクで濃淡を表現するしかないから、色数が増えてしまうの。
うわぁ。
それじゃ、グラデーションのあるロゴは使えないんだね。
もともとグラデーションや濃淡があるロゴは、思い切って単色にデザインし直すのがベストよ。
文字が潰れたりかすれたりするのも、はんこや版画みたいな形で印刷するからなの?
そうね。
どんな職人技をもってしても限界はあるわね。
どれくらいの大きさだと潰れたりしないの?
印刷する素材や、印刷する漢字の隙間具合にもよるから一概には言えないわ。
ただ、原寸大のデータを家庭用のプリンターで印刷してみるといいわね。
もしその時点で潰れていたら、間違いなく名入れしても潰れてしまうわ。
わかったよ!
以上の注意点を踏まえて、名入れ1色の場合、データはK100%で作ってね。
え?でも黒じゃなくて違う色で印刷したいんだけど…
注文を申し込むときか入稿するとき、備考に色の指定を書いておけばOKよ。
その色で印刷されるわ。
そうなんだね、わかったよ。
次に、フルカラー専用の印刷方式の場合の注意点ね。
どんな商品がフルカラーで印刷できるか知ってる?
うちわとかクリアファイルとかだよね。
そうね。
オフセットやインクジェット、昇華転写、オンデマンド、グラビアなどの印刷方式で印刷される商品ね。
詳細情報に「フルカラー」と書いてある商品が対応商品よ。
色数は4色でいいの?
そうよ。
オフセットなどの印刷形式は、「CMYK」の4色の掛けあわせですべての色を表現できるの。
注意が必要なのは、フルカラー専用の印刷方式で色数1のデータを作るときなの。
基本的に印刷色はシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色しか使わないでしょう?
だから、色数1のデータを作るときには必ずCMYKのいずれか1色だけで作らないといけないの。
そっか、見た目が単色だとしても中身はCMYKの掛け合わせだもんね。
そうなの。
見た目が単色だとしても、色の成り立ちはCMYKだから色数は4色になってしまうの。
注意してね。